ロマノフ通信

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2022年12月12日(月)
今年の内視鏡症例集

 今年も、あっというまに12月に入ってしまいました。今年の症例を振り返っていたところ、内視鏡のいくつかの症例を知っていただきたく、まとめました。ちょっとしたところに置いてあるゴムひもやゴム栓、ちゅーる、大きな種など、このまま様子を見たら危険な症例ばかりでした。早めに相談してもらえたので、当日日帰りで対応できています。もし、遅れたら、開腹手術が必要で、1週間の入院生活と治療が待っています。命にかかわることもあります。是非、教訓にしてください。

 また、慢性嘔吐による症例で、内視鏡で診断がついた症例や、腹腔鏡による卵巣摘出の画像もありましたので、イメージを描く参考にしていただきたいと思います。

 

プー太郎ちゃん
ネイル用の使い捨て綿棒を食べてしまったとのことでした。胃内にあったのはスポンジがメインですが、まとめて流れると心配です。すべて摘出しました。
ココちゃん
数か月、嘔吐を繰り返していた猫ちゃんです。幽門洞(胃の出口の洞窟)が全体的に潰瘍化しています。バイオプシー(細胞診)で診断をして、内科治療で改善しました。
ぺけちゃん ぺけちゃん
十二指腸にはまり込んでいた異物です。なんとかひっぱることができました。材質やはまり方により、摘出が困難なことがあります。この消化管部位は、開腹手術でも非常に難しい場所にあります。胆管や膵管の近くですので、簡単に腸管を切開できません。また、肋骨側にあり、とても手術しづらい部位なため、内視鏡で摘出できたことはかなりよかったと思います。 摘出したところ、フローリングの上に敷くウレタンマットのはじっこでした。猫ちゃんは特に、噛み応えがあって、誤飲が多い異物のひとつです。
きなこちゃん きなこちゃん
先程、公園で遊んでいた大型犬です。豚さんの軟式テニスボールのような材質のゴムボールを走って取ってきたら飲み込んでいたとのことでした。こういうボールはつかみどころがないと、目の前にあっても摘出ができないことがあります。ただし、このワンちゃんの性格上、咬んで穴が開いている可能性を考え、亀裂を探していたらやはりありました。そこを起点につかみ、長時間かかりましたが摘出できました。 この豚さんには罪はありません。
バーニャビーちゃん
この猫ちゃんも長毛種のリスクにより、毛玉が詰まってしまった子です。幽門洞につまっていた毛玉を摘出できました。
ぽんちゃん ぽんちゃん
胃内に黒いゴムの塊がありました。つかみどころがないため、リング状にしたワイヤーをひっかけ、カウボーイの気持ちでつかまえました。なんとか、しっかりとひっかかったため、摘出できました。この材質と形はワイヤーも滑ってしまうので、摘出できないこともあります。 なんとか摘出したところ、どこかを蓋するゴム栓のようでした。ワンちゃんは、退屈だといろいろ家の隅々まで探して、部品が外れると飲み込んでしまうことがあります。外出の際は、クレートに入れるのもひとつかと思います。
ぽんすけちゃん ぽんすけちゃん
猫ちゃん用の釣りのような遊び道具のゴム部分をすべて食べてしまった子です。つかめるものかどうかは、飼い主様から情報収集することがポイントです。一番よいのは、現物がのこっていれば持ってきてもらうことです。もしくは、同形のもうひとつがあるかどうかもお聞きします。色や材質を触って、つかめるか想像します。 結局、 切れていなくてつながっていたので、これが流れてしまうと危険です。ひも状異物は、腸がアコーディオン状になり、場合によっては糸のこぎりのように腸を切ってしまいます(腸穿孔)。
ジェイちゃん ジェイちゃん
すももの種を食べてしまったワンちゃんです。届くごみ箱に捨てていると、食べてしまうことがあります。これも、つかむのは困難なので、カウボーイの気持ちになります。滑るので、4つのワイヤーを均等にかけて、ゆっくり締め上げます。 このすももの種は 2㎝程度ですが、腸に流れれば閉塞の可能性があります。以前に、4㎏のピンシャーが散歩中に銀杏の殻ごと食べてしまった子がいて、やはり腸閉塞を起こしました。小さい異物でも体格や流れる異物の向きでは詰まってしまうこともあります。
ティムちゃん
この猫ちゃんは、土管状のプラスチックを飲んでいました。胃を出て十二指腸の入り口にはまり込んでいました。かなりきつくはまっていましたが、なんとか摘出できました。
チョコちゃん チョコちゃん
このワンちゃんは、おやつでちゅーるを与えていたら、そのままくわえて持って行ってしまったそうです。その後、あとかたもなく・・・。食べてしまってから数日たちましたが便には出ず、空腹時に嘔吐を繰り返していました。 ダックスフンドでしたが、その体格からでも、排出されませんでした。むしろ流れたときに、腸壁を傷つける可能性があります。待つことはお勧めしません。
ラパロちゃん
腹腔鏡(おなかの中)の映像です。腹壁に2個の穴をあけて、卵巣摘出を行います。
画面真ん中にある横長ピンクが子宮です。そこから卵巣の卵管・血管をシーリングの機械でシールして閉じてしまいカットした後、卵巣のみを摘出します(鉗子でつかんでいるのが卵巣)。

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