内視鏡・腹腔鏡のご案内

内視鏡および腹腔鏡について

laparoscope

 内視鏡・腹腔鏡機器は、動物病院では、導入が少ない機器です。また、導入されていても技術や経験にかなり差があります。当院では、海外研修や国内研修、学会 などから知識を得て、さらには勤務医時代の経験も生かし、導入するに至りました。
 人の医療では、内視鏡(軟性鏡)はそれなりに発展してきました。それを追いかけるように腹腔鏡(硬性鏡)もこの10年で急速に進歩しています。動物の医 療がその全てに適用していくわけではありませんが、メリットは十分あると思います。デメリットを理解しつつ、獣医療のルーティン検査・治療に発展すること が願いです。

内視鏡装置リニューアル(2017/07/31)

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 内視鏡は、今まで直径5.9mm・8.2mmの2本を使い分けていました。猫の十二指腸には5.9mmで対応が十分可能で、十二指腸内バイオプシーや異物除去に一躍を買っています。この2本は、人間の咽頭内視鏡に当たります。小型犬はちょうどよい大きさです。こちらは、フジフィルムの機器になります。
 今回は、念願のNBI(狭帯域光観察)撮影が可能になる内視鏡の追加導入になります。これは、オリンパス独自の撮影方法で、粘膜表面に現れない血管などの病変の特徴を色調として捉える3つの特殊光観察技術が開発され、がんなど微細病変の早期発見や術前の病変範囲の精密診断などを目的とした内視鏡ビデオスコープシステムが開発・販売(2006年)されました。(内視鏡診断技術は、主に粘膜表面の微妙な色調や凹凸を捉えるための高画質化により、2002年にはハイビジョン画質が実現されています。)
NBIの詳細は下記にまとめますが、簡単にいうと「NBIモードで撮影すると、消化管の粘膜面の異常な血管走行を確認でき、病変部位が染色なしに浮かび上がる」ようなイメージです。動物病院では、まだ研究結果もでていませんが、最先端の検査技術として、取り入れたいという思いがあり、導入しました(全国レベルでも、導入病院は数件のみです)。


狭帯域光観察(Narrow Band Imaging = NBI、オリンパスの特許技術になります)
 「NBI」は、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された2つの波長の光を照射することにより、粘膜表層の毛細血管、粘膜微細模様の強調表示を実現します。血管を高いコントラストで観察するために、(1)血液に強く吸収される、(2)粘膜表層で強く反射・散乱される、という特長を併せ持つ光の利用に着目し、粘膜表層の毛細血管観察用に青色の狭帯域光(390~445nm)、そして深部の太い血管観察と粘膜表層の毛細血管とのコントラストを強調するために緑色の狭帯域光(530~550nm)を使っています。これにより、食道領域の詳細診断や大腸のピットパターン(腺管構造)観察のために広く行われている色素散布の代替法として期待されます。また、検査時間や不必要な生検の減少によって、検査の効率化への貢献が期待されています。

 今回の導入に当たり、当院では内視鏡プロセッサが全てで2台(フジノン社製、オリンパス社製)になりました。スコープの数は6本になりました(さらに2本追加予定)。犬種や体格により使い分け、動物ではあまり導入されない斜視内視鏡も取り入れ、病変部位を見逃さない視野の確保にも努めています(斜視の特徴として、釣り針の異物の除去にも適しています)。内視鏡の径は、ウサギでも撮影可能な極細経鼻用4.9mmから大腸用11.5mmまで、各種とりそろえました。細い径のメリットは、体格が小型の動物でもスコープの取り回しが容易な一方、つかむための鉗子が細く小さくなります。CCDカメラも小さくなるため、画質もやや落ちます。太い径のメリットは、CCDが大きく当院のモデルは画質がハイクオリティで、人の医療における現段階での最高画質になります(病変粘膜の見え方が格段に変わります。ここまでこだわっている動物病院は少ないと思います)。鉗子も大きい物が入るため、異物の摘出方法のバリエーションが増えます。デメリットは、小型の体格では十二指腸まで入らないことがあります。
硬性鏡(胸腔鏡や腹腔鏡)も含め、内視鏡検査および治療に関して動物病院のエキスパートを目指していきます。
 これらすべて人間の一次診療(クリニック)現場でもまだ導入数が少ない内視鏡になります。いわゆる高度医療になります。動物でも侵襲が少なく、よりよい検査として普及されることを望みます。

内視鏡(軟性鏡)について

  内視鏡のメリット&デメリット

メリット デメリット
低侵襲:
開腹せずに処置が可能
麻酔時間が長くなる傾向
入院が不要(一部要) 全層生検ではないため、仮診断
安全性かつ確実性:
確実な部分生検
異物摘出も100%可能ではない
粘膜側から診断:
ミクロで病変を確認処理可能

  腹腔鏡のメリット&デメリット

メリット デメリット
低侵襲:
痛みが少なく、回復が早い
麻酔時間が長くなる傾向
入院が不要(一部要) 機器が非常に高価なため、費用がかかる
安全性かつ確実性:
確実な組織採取
視野拡大:
ミクロで病変を確認処理可能
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