ロマノフ通信

当院ブログ

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バックナンバー

記事一覧年別ページ
新年のご挨拶生後56日以下の赤ちゃんは取引禁止2010
低温やけどに注意「災害とペット」講演について2011
狂犬病ウイルス治療へ光縫合糸なしで血管を止血させる機器の導入2012
膝の上に乗せて運転で逮捕!緊急時手術でお支払いにお悩みの方に2013
内視鏡のお話(マドレーヌの香りにひかれ)ターミナルケアアドバイザー提携のお知らせ2014
ニコチン中毒?!被災地支援の輪2015
ペットの選択、決め手は外見?猫の腰くだけ2021
迫る列車から飼い主を救ったヒーローユリは中毒になるんです2022
アボカド中毒?「災害とペット」講演内容について(要約)2023
誤食(ボツリヌス食中毒)に注意人の癌の早期発見に犬の高い嗅覚
犬の糞は持ち帰りましょう飯田のハチ公
心臓のおはなし(その3)犬と猫の平均寿命2012
ヘルニア用コルセット(オーダーメイド)について
犬と一緒に育つ赤ちゃんは強い?!

2012年12月22日(土)
犬と猫の平均寿命2012(マイナビニュースを読んで 2012/12/22)

  ペット保険会社アニコムは「家庭どうぶつ白書」というペットの統計を刊行しています。当院でも待合室に置いてあります(すぐにみたい方はアニコムサイトでも閲覧できるようです)。保険金請求別理由ランキングや犬種別疾患ランキングなどおもしろい内容が載っています。その最新版では、ペットの平均寿命が載っていました。犬は、♂♀ともに13.3歳で、猫は♂が13.3歳に対して♀が14.3歳とのです。ただしあくまで集計データですので、集計外で長寿の子もたくさんいるはずです。それにしても、人間と同じように女性の方が長生きみたいです(笑)。
 ペットの高齢化問題としては、飼い主様が長生きしてもらわないとご主人様に最期まで面倒をみてもらえないなんてことも心配です。しかし、それが逆に「この子のために長生きせねば」と、前向きになってもらえている事もあります。ともに皆様長寿で健康に!

2012年12月22日(土)
飯田のハチ公(中日新聞を読んで 2012/12/15)

  忠犬ハチ公とは、昔話と思っていました。びっくりしました!先日から長野県飯田市の標高1000mの道路脇にたたずんで、10日以上も飼い主を待ち続けて いるとのことです。現在、保健所でなんとか捕獲し保護していて、飼い主情報を求めているそうです。雨の日も雪の日も待っている健気で痩せこけた写真を見たとき、心にくるものがありました。飼い主様に再会できることを祈るばかりです。

2012年12月13日(木)
人の癌の早期発見に犬の高い嗅覚(AFPを読んで 2012/12/06)

  犬の嗅覚は人の1億倍とも言われています。ということは、人が臭いと思うと犬はその1億倍・・・とんでもなく臭いということになります(笑)。あるオーストラリアの研究チームが試験段階ではありますが、呼気から肺癌患者を嗅ぎ当てる能力があることを見つけたそうです。これが結果的に人間の肺癌の早期発見に つながるようであれば、お犬様々です、というかワンちゃんに大いに助けられています。驚異の嗅覚!

2012年12月13日(木)
「災害とペット」講演内容について(要約)

 師走に入りまして、いつの間に月の半ばになっていました。やっと時間がとれたので、前回の千葉市民公開講座の内容を自分の意見も含め要約として載せたいと思います。いろいろなご意見もあるとは思いますが、参考になれば幸いです。

(要約)
 災害は、家族全員が一緒にいるときにはまず起きないので、集合場所をあらかじめ決めておき(第2候補も)ます。ガムテープとマジックは自宅から移動時にメモ を残すための用具として最重要になります。順番としては、家族全員の防災が第一であり、次にペットの防災です。何より、飼い主様がいなくなったら、そのペットは・・・。
 はぐれた動物により、結果的に4つの観点(動物愛護・公衆衛生・環境保全・人的危害)から問題が発生します。特に、去勢不妊済かどうかが問題になります。生 まれる命があり、それが野生化してしまう・・・。管理、支援については、頭数把握しやすいことが結果的に救護に役立ったと言われています。このことから、 犬の登録は重要ということになります。また、毎年の狂犬病予防注射接種はもちろん接種済申請がされていることが、結果として、日本での狂犬病発生時の疫学調査に重要な役割を果たします。

 避難の際、ケージに入ってくれないと同行避難が難しくなります。クレートトレーニングは、「飼い主様にしかできない防災対策」と考えても良いと思います。猫ちゃんの飼い主様でキャリーケースも持っていない方は防災準備としても1個は持っていて下さい。借りたキャリーケースの使用方法に慣れていなく逃げてしまった子もいたそうです。やはり、人なつっこい(人に慣れている)と捕まえやすい(他人や防護服を着ている人が保護しに行く場合も)ので、小さな頃からの社会化が重要になってきます。

 避難後は、「飼い主様が動物を守る」気持ちで。やはり、サバイバル精神を日頃から持ちましょう。段ボールやビニールで風・雨よけになり、豆腐の入れ物でさえ 立派な水受けになります。キャリーケースや外泊に慣れていない子は、鳴き続けるとその避難所から出ていかなければならなくなることも考えなければなりません。特に、日頃からペットと一緒に布団で寝ることはしないで下さい。急に一緒に寝られなくなったペットはどれだけ悲しみ鳴き続けることでしょうか。さまざまな理由により車での避難生活をしいられる方は、ペットの熱中症、泌尿器疾患、エコノミークラス症候群などの問題も出てきます。その際のことを想定とし て、日頃の共助(いない間の散歩をさせ合う)などができるよう周囲のペットつながりのお友達がいると良いと思います。猫ちゃんは避難後、その先の長期的飼 育の方法もあらかじめ検討しておきましょう。猫ちゃんは急な同行避難で稽留が困難なため、仕方なく自宅に置き去りになり、餓死してしまった方もいたそうです。

 防災準備としては、最低3- 5日間の水、出来れば1週間は必要(支援が3日間こなかった例もあるため)になります。ペットの病態・治療の記録、動物病院(かかりつけ以外の病院の場所 等も)の把握も必要です。特に携帯電話のメモ、写真が緊急としては役に立ちます。財布を持ち忘れて逃げても携帯電話は持って逃げるという方が多いのでペットの特徴を含めた写真、薬の詳細のメモを記入しておくと良いでしょう。紙ベースで「ペット保護・探し」を伝えるためにペットの写真・紙・ペンも準備してお きましょう。個体識別の重要性として、マイクロチップ・首輪(痩せると抜ける可能性)を装着しましょう。マイクロチップを装着されている方は、引っ越しで の住所変更や譲渡などで姓名が変わった場合は、登録内容を更新して下さい。猫ちゃんであっても首輪やリードの準備は必要です。最悪、キャリーケースの生活 になるかもしれません。その際は、排泄のそうじや気分転換にしても、首輪・リードをつけていないと怖がって逃げてしまうこともしばしばです。いつも食欲旺 盛であってもストレスで食べられないこともあるので、嗜好性の高いフードも用意しましょう。ペットシーツは、特に重宝します。ペットの排泄はもちろん、赤 ちゃんのおむつや大人の簡易排泄としても利用できます。現場は集団生活のため、いかに衛生管理をよくするか知恵を絞らなければなりません。感染症陽性で里 親が2年間見つからなかった事例があったことからも、普段の感染症予防も重要になります。

 おすすめの準備としては、キャンピンググッズ、寝袋、ライト、石油(電池着火式)ヒーター、カセットコンロ、ラジオ、水の入れ物、ペットシーツ などです。

 ペットフードをもってくる前に、人の支援物資で困っているのに・・・という不満もあります。その中で支援は粛々と進めていかなければなりません。それならば各自で、せめて「自分のペットの備蓄は自分でなんとかする!」くらいの常備や共助を願います(犬猫以外の動物は、支援でフードが配られる可能性がかなり低いです)。
何より、同行避難可能かあらかじめ確認することが重要です。各自治体に確認していただき、もし同行避難が不可能であれば住民の皆様からの意見要望により、県や市、各自治体に動いていただく必要があります。
 「ペットを家に置いて『後で来るから』は無いと思え!」と。それで何頭も失った方がいたそうです。
 それでも、「この子(ペット)がいるから自分も頑張れる」という人もいらっしゃいます。そのような人に対して支援をしていけるよう、お手伝いできたらと思っています。

2012年11月20日(火)
ユリは中毒になるんです

 先日、時間外で「猫がユリの葉をかじった形跡がある」とのことで来院されました。その方は、帰宅したときに届かない所に飾っていた花瓶がたまたま倒れて、自宅の猫がユリの葉っぱにじゃれついたようです。片づけに行ったら、すでに葉の先2cm 程なくなっていました。飼い主様もなんとなく中毒に関して知識があり、すぐに調べたら死んでしまうこともあることに愕然とされ、パニック状態で電話が来ました。実際、摂食して30分程度だったので催吐処置を行ったところ、吐物内に葉の破片が出てきました。症状なく過ごし、2日後に血液検査を行ってもらった ところ、腎臓の数値は問題ありませんでした。これは、不幸中の幸いでした。

 頂き物などで園芸品種(テッポウユリ、オニユリ、カサブランカ、スターギャザーなど)のユリで自宅に飾るケースも少なくありません。しかし、猫を飼われている方は絶対に猫の行動範囲に飾ってはいけません。たまに、愛猫家の方で知らないという方も見受けます。
  中毒として、どの成分が重篤な腎臓疾患を引き起こすかはまだ解明されていません。摂取方法としては、もちろん葉や花びらなどをかじって食べてしまってもいけません。挿し木の水を飲んだだけでも、また花に体をこすりつけた際の花粉をグルーミングで舐めただけでも発症した例もあります。致死量としては決まっていませんが、子猫が花びら半分食べただけで亡くなった例もあります。
 症状としては3段階あり、2~12 時間に嘔吐や食欲不振などが現れます。24~72時間には急性腎不全の症状が現れます(特に多飲多尿の症状)。そのまま進行すると無尿、低体温となり 3~5日以内に死亡することがほとんどです。治療を6時間以内に開始すれば助かる確立が上がりますが、腎尿細管の不可逆性壊死がおきるので基本的に腎臓へ のダメージが残ります。

 猫は、性格からして草があればじゃれたり咬んだりしたくもなります。飼育環境に絶対ユリ関連の花を飾ることをやめてあげて下さい。愛猫のために~

追伸 これに近い症状がでるのがエチレングリコール中毒です。以前に記事がありますので、ご参考までに。

2012年11月20日(火)
猫の腰くだけ

 今日、処方していた薬がなくなり取りに来られた飼い主様がいました。2週間前に時間外で入院治療していたネコちゃんでした。もう2週間が経っていたことに驚き、また後ろ足が普通に歩けるようになってきている報告で2度驚きました。とてもうれしい報告でした。

  大動脈血栓塞栓症、この病気は突然現れます。実はこれがポイントです。急に呼吸がつらそうになり、腰が抜け後肢に力が入らないケースもあります。時には、 痛みが強い事もあるのでドタバタのたうちまわることもあります。飼い主様は、高いところから落ちて、骨折したか?と連れてくることが多いです。
  原因としては、以前から心疾患があり、心臓内で血液の流れが悪い「よどみ」が生まれ、そこでは血液が固まりやすくなり血栓をつくります。その血栓が流れに のってしまうと、大血管でも詰まってしまいます。脳に流れれば脳梗塞になりますが、犬や猫は頭部に向かう血管が狭いため大きい血栓は大動脈を下って尾の方向へ行きます。途中、腹部大動脈から腎動脈への分岐点で詰まれば急性腎不全を発症します。血栓がさらに下方に流れ、腹部大動脈の末端へ向かい、左右の後肢 に向かって動脈が分岐するところで詰まれば、両方の後肢に血液が供給されず、また片方の後肢の動脈のみであれば、その後肢のしびれ・麻痺が起きます。
 治療は、内科療法も外科療法もありますが70%は命を落とします。改善したとしても再発率は高い病気です(再発率は約50%)。内科療法としては血栓溶解剤を発症後24時間以内に使用することがすすめられています。しかし、血栓を早く溶かすことはよいことですが、急に血栓が溶けて血液が潅流する事で、末端にあった老廃物や細胞からでた電解質(特にカリウム)が全身に流れることによる障害(再潅流障害)で死亡するケースもあります。それに対する対応を含め、内科療法をすすめて行かなければなりません。外科療法としては麻酔をかけての処置になり、心臓が悪く状態が悪い動物へはかなりリスクがあります。
 来院された際の診断の見極めから、検査治療の対応、またその病態によって改善率が左右されます。当院にも時間外で早く連れてこられたのにも関わらず、この病気で数時間後に息を引き取った方もいます。

 まずは、心臓病を早期に気づかれ予防していくことでこの病気にならないようにすることがなにより必要です。なにげない年に1度の健康診断や予防接種などで心臓病は気づけることも多い病気です。日頃のケアをおすすめします。

2012年10月15日(月)
被災地支援の輪

 日々診察をしているといろいろな飼い主様と出会います。その中でも、今回は東北地方太平洋沖地震に携わる方と出会いました。 もちろん、ペットを飼っている方ですが、被災地で飼 育されていたペットが路頭に迷い、また野良動物が増えてしまう環境をいかに防ごうかボランティアで活動をされています。
 愛するペットを思う気持ちがそうさせるのだということに、感動しました。自分は現地に向かうことができないながら、こういった支援の輪の橋渡しになれたら幸いです。
 是非下記サイトを訪れて見て下さい。

     「にゃんこはうす」

 そのほかにも、様々な支援や活動をされている方も大勢いらっしゃると思います。心から応援いたします。

2012年10月15日(月)
ターミナルケアアドバイザー提携のお知らせ

 家族の一員であるペットとの別れは、人間の場合とは違い急に訪れることがあります。それは、人間と比べ病気の進行がはやく、また病気が悪化してから気づく(本人が病気を隠す)ことが背景にあるような気がします。
 我々は、症状から病気を探し出し、病態病期を説明し、ご理解していただけるように努めています。飼い主様はその病状を頭では理解されていても、心がついて来られないケースが多々あります。その場合には、再度お時間を作り説明をしたり、ご自宅で見られるように、患者説明書をお作りする事もあります。
 今回のお話は、そのあとのケアについてです。我々は、愛するペットが甲斐なく亡くなってしまった時、その後飼い主様がどうされているかとても心配になります。そんなときに、いろいろな体験をされていて、心の支えになっていただける先生をご紹介させていただきます。お話を他の誰かに聞いてもらえるだけでも、心に余裕がもてると思います。実際、自分もそうでしたので。。。

2012年10月06日(土)
緊急時手術でお支払いにお悩みの方に

 ペットも急に病気になることがしばしばあります。特に、誤食や胃捻転などで緊急手術なんてこともあります。全てのお支払いは退院時になりますが、急な出費に悩まれ、御相談を受けることもあります。
 当院では、そんな方に分割支払いができるメディカルローン(JACCS)をご提案できるようになりました。受付にて御相談下さい。

2012年10月06日(土)
縫合糸なしで血管を止血させる機器の導入

  一般的に、避妊手術などでは卵巣動静脈や子宮動静脈、去勢手術では精巣動静脈を確実に止血するために縫合糸を使用しています。ほかの手術で血管の止血をするときも同様です。当院でもそうです。しかし、おなかに残る糸がごく稀に反応して、肉芽(糸を覆い隠す反応)をつくることがあるとも言われています。溶ける糸(吸収糸)を使って止血させ数ヶ月で溶けたとしてもその間に小さな肉芽ができるとも言われています。この現象(起きやすさ)は、品種によっても個体によっても変わってきます。その肉芽が悪さをしなければ問題はありません。
 当院では、近日縫合糸なしで血管を止血させる機器を導入いたしました。血管をピンセットのようなもので挟んで、血管をぺったんこの状態にして適度な温度 でシール(熱凝固)します。そうすると血圧に耐えうる止血が、縫合糸なしで迅速に行うことができます。手術の際に御相談下さい。
 また、この技術が腹腔鏡を使う際に生かされます。細い機械を小さな穴から入れて、おなかの中の血管を容易に確実に止血することができます。今後の腹腔鏡導入の際にも使用する予定です。

ligasure

2012年10月06日(土)
「災害とペット」講演について

 実りのある秋に向けて、千葉県獣医師会では市民公開講座(11/18予定)の準備が進んでいます。毎年開かれていますが、今回は飼い主様がいつも気になっていると思われる「災害とペット」についてです。
 いざとなったときにどのようにしたらよいか、またそうなる前にしっかりとした準備対策が必要になると思います。市民全体で防災意識を高めていくきっかけ になればと思っております。お住まいの町内会でのペットの避難について、どういった取り決めになっているか確認されると良いと思います。

今回の講演について詳しい情報は下記のサイトでご確認下さい。
http://www.cpvma.com/diarypro/diary.cgi?no=26


→後述の記事で、要約をアップしています。内容はこちらまで。

2012年08月31日(金)
生後56日以下の赤ちゃんは取引禁止(毎日新聞をよんで 2012/8/22)

  最近、動物愛護法改正案が可決され、今国会で成立するようです。その内容は、生後56日以下の赤ちゃん子犬子猫について、繁殖業者からペット販売業者への 引き渡しが禁じられるというものになりそうです。これは、早期に親から離すと問題行動が増え、飼いきれないことで手放し、殺処分につながることを防ぐねらいがあるようです。まずは3年間「生後45日」でいき、その後「生後49日」になり、5年目で判断するようです。
 やはりブリーダーとしては飼育代の問題があり、販売側としても小さくて可愛い幼少期がそれなりに過ぎてしまうのも売れにくくなってしまいます。かといって、衝動買いで手放されるペットが生まれる事も心苦しいです。販売側が飼育者へのインフォームド(「飼う」ということとは)を徹底し、さらに全頭にマイクロチップ装着 の義務づけなどなにか良い案がみつかると良いのですが・・・

2012年08月31日(金)
犬と一緒に育つ赤ちゃんは強い?!(AFP時事をよんで 2012/7/9)

  最近の子供は、清潔にしていることは良い反面、アレルギーや喘息もちの数が増えていると聞いたことがあります。これは、ある程度の菌や物質の暴露が体の免 疫を過剰に反応させにくくするからともいわれています。昔は、下に落ちた食べ物を「3秒ルール~」といって、根拠のないいいわけをしながら食べてしまったものです。これも、今となってはアレルギーになりにくい体にさせてくれたのでしょうか(笑)。ちなみに以前、アメリカでまじめにこの研究が発表されていました。3秒後も直後も細菌数は変わらないようでした・・・

 話はそれましたが、今回こんな記事を読みました。ある程度屋外で過ごす犬が周りにいることで、生後1年以内の赤ちゃんの免疫力が高まるとのことでした。感染性呼吸器疾患の罹患率が3割減少したとのことでした。猫でも可能性を示唆されましたが、犬よりは低いようでした。
 たしかに、動物に対するアレルギーは、毛やフケなどに接触または吸引して発生することが多いですが、小さい頃に暴露されることで減感作療法のように、良い方向に免疫が調整されるのでしょうか。社会性からしても、赤ちゃんの頃に動物が近くにいることは、心をより豊かにさせてくれたり、優しく接してくれる子になってくれるような気がします。と自分は勝手に思っています(笑)。

2012年08月20日(月)
ヘルニア用コルセット(オーダーメイド)について

  最近人間と同様に高齢化に伴い、腰痛に悩むワンちゃんが増えてきました。その中でも、胴が長い犬種や軟骨異栄養犬種といわれる種類のワンちゃんは、1歳を過ぎると腰の老化現象がはじまると言われています。その予防策として腰痛用コルセットをおすすめしています。当院では、人間の技師と提携して動物用の様々なコルセットの作成を依頼しています。動物の大きさに対しては、頚部や胸腰部など採寸をしてオーダーメイドにて最適なサイズのコルセットを発注しています。
 当院では、椎間板ヘルニアの安静療法の際にも利用しています。入院された際は安静のため、オーダーメイドが届くまでの間(ミニチュアダックスフンドに限り)院内用マルチサイズコルセットを準備させていただきました。
 人間と変わりないですね~

2012年08月04日(土)
心臓のおはなし(その3)

 飼い主様が来院される際に、散歩に行かなくなったとか食欲がなくなったなど症状を気づいて来院されることがあります。原因として心臓が悪いときは、症状からして「本当に心臓が原因なの?!」と言われることもしばしばあります。また、症状を出していない時の心臓の悪さをお伝えすることは困難なときがあります。
 そういった状況でご理解を深めていただくために当院では、2人で同時に聴ける聴診器を取り入れました。心臓の雑音を実際に聴いていただき、進行度など状態の理解を深めていただけたら幸いです。

2012年07月10日(火)
犬の糞は持ち帰りましょう(sankeibizを読んで 2012/07/08)

  大阪府泉佐野市では、放置された犬の糞害に悩まされています。これは、愛犬家のモラルの問題になります。人が見ていなければ、糞をそのまま放置してしまったり、スコップで他人の土地の土に埋めてしまったり、排水溝に落としてしまったり・・・。こういったモラルは、ある意味たばこのポイ捨てと似ています。
 犬を飼っていない方や動物が嫌いな方にとっては、犬が散歩していて、毛が舞うだけでも嫌な方もいます。特に、去勢や避妊をしていない動物の尿のにおいは、動物好きな私でさえ気になるものです。そこで当院では散歩の際、排泄した場所にはオゾン水や強酸性水を洗い流して、臭いが残らないような配慮もしています。
 やはり、相手の気持ち(そこに住んでいる人の気持ち)を考える精神で、何とかならないものでしょうか・・・。結局は、一部の方のために、清掃や巡回など人件費が発生し、「犬税」として飼育者全員に負担がかかることになります、これは理解が得にくいですよね。
犬税は、現在ドイツ、オーストリア、スイス、中国などでは実施されているようです。ある意味、むやみに犬を増やさない飼育抑制の目的では納得ができます。
 街がきれいであってほしい、ただそれだけなのに・・・

2012年06月15日(金)
誤食(ボツリヌス食中毒)に注意

  先日、急患でけいれんがとまらないワンちゃんが来院されました。意識はあるようですが、小刻みなふるえが止まりません、もちろん立てません。すぐに検査と点滴を開始しました。飼い主様からお話をお聞きしたところ、かなり前の腐敗した生肉を捨てたゴミ袋をあさって食べていたようです。数日で、改善傾向が見られため一時退院となりました。

 今回のケースは、菌の同定はできませんでした。しかし、急性経過であること、食べてからはじまったこと、症状から考えると、食中毒の原因菌にあるボツリヌス中毒を疑います。これは、ボツリヌス菌の毒素を摂取することにより、弛緩性の不全麻痺や四肢麻痺が起きます。急性進行性で、12~24時間かけて進行します。症状は摂取量により様々です。人間でもたまに話題になりますが、亡くなる方もいます。改善傾向が確認されると、2~3週間で回復することもあります。

 ワンちゃんやネコちゃんにとっては、腐っていることや食べていけないということは、判断がつきません。ゴミの管理や人間が処方されている薬の管理など、ちょっとしたことですが見直してみて下さい。

2012年05月19日(土)
アボカド中毒?

  先日、急患で嘔吐のワンちゃんが来院されました。その後も、数日間下痢(血便)と嘔吐が続きました。入院し大事には至りませんでしたが、かなり辛そうでし た。血液検査では特に異常値はなく、飼い主様からお聞きした情報の中で「テレビで健康によいといわれていたのでアボカドを3日前から与えはじめた」とのこ とでした。今回は、これが原因かは不明ですが、これを教訓に自分も調べさせていただきました。
 アボカドの果肉、種にはペルシンという中毒物質が含有していて、動物がアボカドを摂取すると、最悪の場合死に至るそうです。主な中毒症状は嘔吐、下痢、 呼吸困難、全身のうっ血や心疾患とのことですが症状の出方は様々らしいのです。それでなくても、アボカドは森のバターと言われるくらい脂質が豊富です。と いうことは、ワンちゃんでは急性膵炎を引き起こしてもおかしくはありません。

 やはり人間と動物では異なることもあります。もし、サプリメントや食生活などで、始めてみようと思ったものがありましたら、是非御相談下さい。最近で、 危険なサプリメントは「αリポ酸」です。絶対与えないで下さい(動物が好きそうな臭いがあるようなので、ペットが届く所に袋を置かないで下さい。数粒で最悪、死に至ります)。

2012年05月19日(土)
迫る列車から飼い主を救ったヒーロー(wanwansを読んで 2012/05/20)

  今回も感動する家族の絆のお話を目にしました。ピットブルのワンちゃんが、線路横断中の意識を失った飼い主を助けたとのことです。しかしワンちゃんは、骨盤骨折と右前肢を失う怪我を負ってしまいました。それでも、飼い主が動物病院に駆けつけた時はしっぽを振っていたそうです。
 そこに言葉はなくとも、胸にこみ上げるものがあります。

下記サイトでご覧いただけます
http://wanwans.com/new/hero-pit-bull-saved-owner

2012年04月30日(月)
ペットの選択、決め手は外見?(ウォールストリートジャーナルを読んで 2012/04/19)

 米国動物虐待防止協会の調査によると、動物シェルターで子犬を選ぶ理由のトップは「外見」とのこと。しかし猫では選ぶ決め手として「ヒトに対する態度」をあげていました。
 また、他の調査では、「最初に動物が見物側にした行動は?」の質問に、「引き取り手の多くは、寄ってきた・鳴いた・舐めた・飛びついてきた」といった交流的な態度を挙げました。

 ここからいえることは、犬より猫の方が性格が重要で、生活を思い描いて譲り受ける方が多いようです。たしかに、うちのレモンも外見重視で選んだ節はあり、またうちの猫とは一定の距離感があり、その中で癒しを求めている気がします。当たっていますね~

2012年03月08日(木)
ニコチン中毒?!

 3 月上旬のことです。早朝の時間外でトイプードル(子犬)の救急処置を受け入れました。来院されたときは、昏睡状態(低体温、徐脈)で時間が経つにつれ悪化していきました。すぐに検査と治療を開始しました。お話を聞くと、たばこをかじっていた形跡があるとのことでした。神経症状も出ていたので原因は他にも考 えられ、治療を困難にさせました。それでもなんとか治療に反応してくれて、無事退院することができました。

 原因は確実ではありませんが、ニコチン中毒(たばこ誤食)の可能性もありました。ここで軽く触れますと、ヒトのデータですが、乳幼児ではニコチン量で 10~20mg(たばこ0.5~1本)、成人は40~60mg(2~3本)を誤って食べてしまった場合、急性中毒で亡くなる方もいます。犬の中毒量は、 20~100mg(およそ10mg/kg)程度になります(およを5kgの犬が2~4本食べる量)。また、たばこの種類(1本のニコチン量)にもよります。よくないのが、液体に溶けてしまっているもしくはふやけてしまっている液体を飲むと吸収されやすいので、特に動物では注意が必要です(たとえば、缶ジュースの中身を少し残して灰皿代わりに使ったものが倒れて、子犬がジュースの残りをペロペロしてしまうなど)。
 軽度であれば、吐き気・心拍上昇・呼吸促迫・興奮状態になり、重度であれば、徐脈・痙攣・意識障害・呼吸麻痺など抑制症状が発現し、ショック症状で死にいたります。中毒症状は、誤食後2~4時間で現れ、軽度であれば徐々におさまることもあります。

 プリンちゃん、元気になってよかったね!なにより飼い主様がはるばる遠方から、当院を頼ってプリンちゃんのために駆けつけていただいたことに感謝です。

プリンちゃん       プリンちゃん元気
ケージで安静にしていたところを、  その後、伏せしてしっぽフリフリ~
起こしたらキョトン            こんなに元気になりました!

2012年03月08日(木)
内視鏡のお話(マドレーヌの香りにひかれ)

  先日、他院の紹介で誤食のワンちゃんの内視鏡手術をしました。そのワンちゃんは食べることが大好きで、飼い主様が食べていたマドレーヌの香りにひかれ、包装に入った状態のままパクッ。とっさに取り上げようとしましたが、ゴックン。催吐させても出てこなかったそうです。このケースは、包装紙にしっかりくるまれた状態なので中身が消化されません。その場合、大きな異物として胃内にとどまります。場合によっては、腸閉塞の可能性もあります。

 急きょ内視鏡手術を実施しました。たまたま、今回は包装に咬んだ跡があり、胃内で包装の裂けた穴から中身を出すことができたことが手技を容易にしてくれました。夕方には、飼い主様の元へ。開腹することにならなくてよかったね~今後の教訓に。
マドレーヌ
(左)食べる前のお菓子
(右)袋ごと食べてしまったマドレーヌを回収しようと内視鏡手術を実施。破けた穴から中身を出すことに成功、空になった包装で回収できました。

2012年03月06日(火)
膝の上に乗せて運転で逮捕!(毎日新聞を読んで 2012/03/03)

  たまにワンちゃんと一緒にドライブされている方を見かけます。ほほえましい風景です。しかし、こんな記事を見つけました。愛犬のトイプードルを膝の上に乗せて運転していた方を道路交通法違反(乗車積載方法違反)で逮捕・・・さすがに今回の逮捕は、逃走の恐れがあったためとのことですが、違反になります。
 道路交通法では、運転者の視野やハンドル操作を妨げるなど安全確認が十分できないような運転を禁止しています。大型犬を助手席にフリーで乗せて視野を妨げたり、小型犬を運転者の膝に乗せての運転などは、とっさの判断に対応できません。さすがにシートベルトの義務はないものの、ペット用シートベルトやセーフティシート、後部座席用のスペースボードなど、ペットの安全面安心感を得るためのグッズが販売されています。事故は「自分は大丈夫」と思っていても、起こってしまうと悲しい現実が待っています。皆様が幸せに暮らせるように願っています。

2012年02月28日(火)
狂犬病ウイルス治療へ光(毎日新聞をよんで 2012/2/28)

  最近、ある日本の大学での研究開発が話題になっています。それは、不治の感染症である狂犬病ウイルスを破壊する「スーパー抗体酵素」を開発したというのだ!ヒトへの応用はまだまが先になるとのことですが、医薬品として開発されれば、ヒトにも感染し致死率100%とされる狂犬病の治療につながりそうです。
 日本は、現在狂犬病清浄国とされています。しかし、検疫が他国より甘いという指摘があることや、アジア大陸からの海路でコウモリなど小型哺乳類が入り込 んでもおかしくありません。実際、この数年でも海外渡航された日本人が帰国後に狂犬病で亡くなっている例もあります。世界で毎年50000人も命を落とし ている危険な感染症に対して、治療が見いだせることを願っています。

2011年02月10日(金)
低温やけどに注意

  寒さが厳しい日が続いたある日のことでした。当院の看板犬のレモン(イタリアングレーハウンド)の皮膚が赤くなっていました。「あれ、皮膚炎かな」と思い、治療を開始。その日の夜、クッションベッドを一生懸命掘っている音がしました。寝るところを馴らしているのかな~と思ってみていたら、なんと!クッ ションベッドの上のクッションをどけて、さらにベッドの底面布の破れた穴を作り広げていました。そして、直接ペットヒーターの上に伏せて「あったか~い!」と満足げなおももち。皮膚炎の原因がそこで判明しました。すぐに、クッションがとれないタイプのベッドに交換しました。皮膚が薄い種類は、どうしても熱が皮膚に直接伝わり、熱くない程度の温度でも長時間接触していると、こういう「低温やけど」になってしまいます。レモンよ、ごめんね。


 今となっては笑い話ですが、ロシアンブルーの飼い主様が、近づき過ぎてヒゲがちりちりになってまでもヒーターの前で暖まっているとお聞きしました。皆様、気をつけて下さいね。

低温やけど さげぽよ
治療中の様子です・・・    かなり、さげぽよ~
カサカサ            おばさんですが、最近の言葉を
                 使っています(笑)

2012年01月01日(日)
新年のご挨拶

  今年も明けましたが、今年こそまさに「頑張ろう、日本!」です。昨年は、未曾有の大震災や原発事故がありました。仮設住宅で避難をされている方々には、本 当に厳しい寒さだと思います。一歩ずつ復旧・復興の道をすすみ、故郷に帰り暖かい冬を迎えられる日がくることを心から願っています。微力ながら応援させていただきます。

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