ロマノフ通信

当院ブログ

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記事一覧年別ページ
新年のご挨拶たけのこ中毒?!2010
飯田のハチ公、新しい家へ運命?!2011
心臓マッサージのみの方が高救命率アトピーの原因がひとつ解明?!2012
キシリトール中毒に注意初の柴犬、任期を終え2013
ダニが運ぶ新感染症とは最期の迎え方2014
麻酔薬についてのぼやき6畳に10台分のストーブは・・・きつい2015
イタリアの「ハチ公」が死ぬネコアレルギーの仕組みを解明か2021
緊急的な下痢について犬は人の気持ちが分かる研究2022
最近のつぶやき(処方薬)あなたのワンコは人間年齢だといくつ?2023
獣医の仕事は想像以上にハードワーク?!

2013年12月10日(火)
獣医の仕事は想像以上にハードワーク?!(東スポWEBを読んで 2013/12/10)

  おもしろい記事を見つけました。自分の仕事を他の方に体験してもらっている記事です。これが全てとは言いませんが、体力勝負であることはわかっていただけると思います。また、手術では繊細さも必要とされます。また、動物の状態を飼い主様にご理解いただけるように、お話しすることも必要です。もし、機会があれば職場体験(学生)もお受けしています。想像とは異なる職業かもしれません(笑)。

2013年10月14日(月)
あなたのワンコは人間年齢だといくつ?(ロケットニュース24を読んで 2013/10/13)

 ワンちゃんの年齢は、当院でははじめの1年で20歳を迎え、それ以降4歳足していくとお話ししています。しかし、 種類や体格別の計算方法があるそうです。イギリスのBBCニュースに掲載された「犬種別の年齢換算法」を、紹介します。あくまで1つの参考に。

【犬種別 年齢換算方法】
・0歳~2歳まで
小型犬:1年×12.5歳
中型犬:1年×10.5歳
大型犬:1年×9歳

・3歳以降
小型犬:
ミニチュアダックスフンド:1年×4.32歳
ボーダーテリア:1年×4.47歳
ラサ・アプソ:1年×4.49歳
シーズー:1年×4.78歳
ウィペット・ミディアム:1年×5.30歳
チワワ:1年×4.87歳
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア:1年×4.96歳
ビーグル:1年×5.20歳
ミニチュア・シュナウザー:1年×5.46歳
コッカー・スパニエル:1年×5.55歳
キャバリア・キングチャールズ・スパニエル:1年×5.77歳
パグ:1年×5.95歳
フレンチブルドッグ:1年×7.65歳

中型犬:
スパニエル:1年×5.46歳
ラブラドール・レトリバー:1年×5.74歳
ゴールデンレトリーバー:1年×5.74歳
スタッフォードシャー・ブル・テリア:1年×5.33歳
ブルドッグ:1年×13.42歳

大型犬:
ジャーマン・シェパード・ドッグ:1年×7.84歳
ボクサー:1年×8.90歳

これからレモンに当てはめて計算してみます~ウィペットと同じかな???

2013年08月7日(水)
犬は人の気持ちが分かる研究(マイナビウーマンを読んで 2013/8/2)

 「犬は人に共感することができる」と言われますが、これはどうやら事実のようです。同情したり、慰めたり・・・研究結果をご紹介します。
 調査方法は、各家に監視カメラを仕掛け、飼い主と、犬が会ったことのないもう1人の人物が話し、大声で言い争い、どちらかが泣きまねをする、というものでした。18匹のうち、3匹以外は自分のしていることを止めて、泣いている人のそばへ行き、励ますように寄り添ったり、スキンシップを試みたそうです。
  研究者自身も「人間がハグしたりおもちゃを与えて相手をあやすのと、互角と言っていい行動だ」と驚いています。しかも、彼らが駆け付けた相手は飼い主に限 らず、見知らぬ人にも同じ行動を見せるのだそうです。赤ん坊が泣きだすと、ほかの赤ん坊が共鳴して泣き出すのと同じように、犬は人間の快・不快を敏感に感 じ取っているのではないか、と研究者は分析したそうです。実験で最も若かった犬は、わずか8カ月のラブラドール。自分のしっぽを追いかけて遊んでいた彼は、見知らぬ人が泣きまねを始めると、途端に駆け寄って彼女の肩に肉球を置いたそうです。

共感してもらえる人が近くにいてくれるとホッとすることってありますよね。今後、ネコちゃんの研究をしてもらえることを希望いたします。また違った結果になるのでしょうか?!

2013年07月27日(土)
ネコアレルギーの仕組みを解明か(AFP時事を読んで 2013/7/26)

 このほど、米専門誌「Journal of Immunology」 に猫アレルギーの仕組みについて発表がありました。イギリスケンブリッジ大学の研究者らによると、ネコの鱗屑(フケのこと)などから見つかるタンパク質 が、バクテリアの一種と接触すると、人間にアレルギー反応を誘発する可能性があるとのことです。アレルギー反応には、くしゃみやせき、目の腫れやかゆみ、 呼吸困難などがあり、花粉症の方ならおなじみの症状です。
 最も一般的なアレルゲン(アレルギー誘発物質)は「Fel d 1」というタンパク質で、ネコの唾液に含まれていて、毛繕いによって体の表面の至る所に付着して、一般的なバクテリアの毒素に接触することでアレルギー反応が誘発されるそうです。今まではこの仕組みが謎だったのです。
 ブライアント博士によると、今回の研究では、これを認識する免疫系の要素も特定したそうです。

 ということは、アレルギー物質といわれていたフケをシャンプーなどでよく落とすだけではダメということになります。唾液もアレルギー物質になりうるのです。毛繕いをしたネコちゃんは・・・体全体がアレルゲンにまとわれたことに・・・

 でもこの発見により、猫アレルギーや犬アレルギーの方に少しでもよりよい環境が築けることを切に願います。

2013年07月20日(土)
6畳に10台分のストーブは・・・きつい(毎日新聞を読んで 2013/7/19)

  この記事を読んでいたときに、先日朝の光景を思い出しました。「猛暑日」と言われていたある日のことです。午前の暑い燦々と照りつけているピーカンの日に、黒い日傘をさしてミニチュアダックスフンド(ブラック・タン)を散歩させていたご婦人がいらっしゃいました。ワンちゃんにとっては、日陰もない・・・ アスファルトで靴も履いていない・・・足が短いのでアスファルトに近い・・・そして毛が黒い・・・

 その記事とは、環境省が熱中症対策を呼びかけるために試算を公表しました。真夏の気温が33℃として、アスファルトの舗装道路で太陽光から受ける熱量は500W/m2程度になり、反射熱などを含めると900W/m2になるそうです。おおよそ1000Wの電気ストーブ10台を6畳間で使ったときに受ける熱量に相当するそうです。

 きっと、自分がそのワンちゃんだったら散歩ストライキのため仮病で3日間くらいごはんをたべなくなるかもしれません(笑)

2013年07月06日(土)
最期の迎え方

  おととい、いつも薬を取りに来られるワンちゃんの飼い主様が来られました、いつものように笑顔で。ただ、今回は薬を取りに来られた訳ではありませんでし た。「いろいろとありがとうございました。今朝方、眠るように亡くなりました。昨日までご飯たべていたんですよ。」と、ご家族皆様が笑顔でした。実は、このワンちゃんは重度の心臓病で昨年明けから頑張っていました。長く生きられないのはわかっていつつも、「苦しまないように」という飼い主様のそしてワンちゃんの声になんとかこたえようとしていました。治療も「ベストを尽くす」とはいえないものの、来院するとかなり緊張するワンちゃんにとっての「ベスト」 を日々模索していました。
 心臓性悪液質で徐々に痩せていき、立つのがやっとの生活でした。それでも、飼い主様の献身的な介護で褥瘡もさせず、食事も上手に与えていただき、昨年の体重に戻るまでになっていたことに驚きを隠せませんでした。そして今朝、眠るように呼吸が止まったとのことです。
 なんだか、本日お会いした時の飼い主様の笑顔をみたら、涙がでるよりも安堵の気持ちを覚えました。飼い主様の様子にも「やれることはした」感がありました。
 様々な病気において、「苦しまないように」最期を迎えるのは難しいですが、納得のできる迎え方ができればと思います。
 レモンにも、いつか来ることなのですよね・・・心構えの準備、なにより早期診断早期治療・・・。いつか居なくなってしまうなんて今は考えたくないですね。

2013年07月06日(土)
初の柴犬、任期を終え(毎日新聞を読んで 2013/7/5)

 以前にご報告していた内容のその後です。
  2年前、岡山県警察の嘱託警察犬に日本初の柴犬として所属していた「二葉」ちゃんが、今年の6月で任期を終えたとのことです。今後は、災害救助犬として活 躍を予定しています。動物が人間の役に立っている姿をみると、人間ができないことを変わりにしてくれたり・・・頭が下がりますですね。
 日本犬は頑固なところがあるので、警察犬に適さないとされてきました。診察でも、飼い主様以外受け付けませんオーラを出しているときがあります(笑)。かわいいんですけどね。

2013年06月17日(月)
アトピーの原因がひとつ解明?!(毎日新聞を読んで 2013/6/6)

  皆様、夏の皮膚炎や外耳炎の時期になって参りました。この季節は、どうしても皮膚や耳が特に臭う(香ばしい酸っぱい感じになる)と思います。これは、犬の皮膚常在菌であるマラセチア菌という酵母様真菌の仕業です。マラセチア菌は、皮脂と水分と温かい温度により増殖を強めます。そのため、高温多湿の夏に軟らかい皮膚や耳などで炎症を起こされてしまいます。
 最近のヒトの研究では、アトピー性皮膚炎の方が、汗をかくと炎症を引き起こすメカニズムについてひとつの原因が解明されました。それは、ヒトの皮膚常在菌であるマラセチア菌(malassezia globosa)が作り出すタンパク質が汗に溶け込んで体内に入ることで、アレルギー反応を起こすとされています。

 これは、もしかしたら犬にもいえるかもしれません。ただし、犬は皮膚で汗をかくことが出来ませんので、汗に溶け込んでこのタンパク質が吸収されるより、皮膚炎など皮膚のコンディションが悪い部分から体に入ってしまうとも考えられます。
  マラセチア菌は常在菌ですので根絶はできないにしても、こまめなシャンプーなどで清潔にすることは必要なことです。市販のシャンプーだと、刺激になってし まったり、保湿が足りないケースがありますので、その子に合ったシャンプーを動物病院で処方されることをおすすめします。

2013年05月27日(月)
運命?!

  近所の方から相談を受けた日のことです。1匹の子猫ちゃんが庭の倉庫に挟まって鳴いていたとのことです。助け出し、心配で健康状態をみせに来てくれました。元気にはしていたものの、まだ生後1週間程度でした。もちろん目は開いていませんし自分で排泄もできません。親猫が探しにくるかもしれないので外に見えるところで飼育してもらっていました。
 数日経ったあとも結局親猫は来ず、飼い猫とも相性が悪く、里親を探すお手伝いでポスターを作成しました。それを待合室に貼った数分後でした。電話が鳴り、用件をお聞きしていると、「里親募集のネコちゃんはいませんか?」とのこと。以前、急変し亡くなったネコちゃんの飼い主様からでした。こちらもびっくりしてしまいましたが、段取りをつけ、その日のうちに引き取っていただけました。まさに運命を感じました。
 たくさんかわいがってもらって下さいね、チビクロさん~

2013年05月14日(火)
たけのこ中毒?!

 先日、夜間セミナーに参加したときのことです。他の病院の先生が診察した患者様の体験をお聞きしました。それも衝撃的で、生のたけのこを盗み食いをして、数時間後に亡くなったとのことでした。
 生のたけのこは、消化が悪いとはよく聞きますが、詳細はよくわかっていません。人のデータとして少し調べてみました。

<青酸中毒について>
梅、アーモンド、銀杏、アンズ、桃、カリン、ビワなどのバラ科・サクラ科・ナシ科やマメ科、キンポウゲ科植物やタケノコに青酸が含まれます。梅や アーモンドなどは胃酸により加水分解により青酸が発生し中毒するようです。またクローバ(シロツメクサ:マメ科)などは牧草にもなりますが、牛や馬のク ローバ病(口内炎、食欲不振等)の原因はこの青酸です。
 これら青酸は、青酸配糖体として存在し、青酸分解酵素や稀酸により青酸を発生します。アミグダリンなど、これら青酸配糖体の多くは種子に含まれますが、果肉や葉、樹皮に含まれる事もあります。果肉の場合、熟成とともに青酸配糖体は通常減少します(動物による種子散布を推進)。これらアミグダリンなどの青酸 配糖体は熱に強く加熱処理では除けませんが、タケノコに含まれる青酸配糖体(タキシフィリン)は熱に弱く、焼いたり、茹でて水洗いする事で除去されます。 薄く切った場合は8~10分程度、厚めに切った場合でも35~40分程度の煮沸で分解されます。よって、筍はよく茹でることが重要です。茹でる際にはシアン化水素が逃げやすいように鍋の蓋を取っておき、茹でた後に水で曝すこともポイントです。
 特に、たけのこの皮にも毒性の成分があるようで、食べさせることは止めて下さい。

2013年04月02日(火)
最近のつぶやき(処方薬)

  夜間、当院に初診で来られる方も多いのですが、その際には今までの病歴や(特に現在の)治療薬および用量をメモして来ていただけると助かります。緊急で使用する薬の併用が禁忌な場合などもあるからです。たまに、かかりつけ病院の請求書を持参されても「内服薬○日分処方」としか記載されていないケースや、錠剤が割られて分包されて剤型や錠剤表面の番号もわからないケースもあります(そのため当院では、請求書に薬の名前と用量を載せるようにしています)。
  一番良いのは、ペットのノート(日記など)を作ってもらい、処方された薬の名前(商品名でかまいません)を何日間処方されたなどと、なんとなくメモしていただけると助かります。逆に薬の処方履歴を見るだけで、こちら側としても今までの病気やその進行度合いさえも推測できるからです。
 最近は、インターネットで薬の効能を調べられるようになってきました。ペットに処方されている薬がどんな薬か調べることも、飼い主様ご自身の安心感につながります。もしどんな薬かわからない場合も当院に気軽にご相談下さい。

2013年04月02日(火)
緊急的な下痢について

  今回も、夜の救急患者様のお話です。昼まで元気にしていたワンちゃん。夕方になって急に元気がなくなり、嘔吐と下痢を繰り返しているとのことでした。来院時にも診察台の上で、腹痛と嘔吐、下痢しぶりを繰り返しています。かなり危険な状態と判断しました。飼い主様に聞いても、誤食や中毒物質の摂取も心当たりがないそうです。このときには、いくつか病気が頭に浮かびます。まずひとつがパルボウイルス感染症で、幼少期に下痢嘔吐で大半の子が命を落とす感染症です。次に疑う病気としては、異物や中毒がないのであれば、稀ではありますが出血性胃腸炎があります。臨床症状と身体検査と血液検査で判断しながら、急速輸液およびその他の治療をすぐに開始しました。結果、3日間の集中治療でみるみる調子を取り戻し退院できました。

<出血性胃腸炎>
 症状としては、血の混じった嘔吐や下痢とともに血液が濃縮して重篤な状態に進行していきます。この際に出る便がいわゆる「イチゴジャム状」の便です。飼い主様によっては「内臓が溶けて出てきたくらいの血混じりで生臭い粘液便をした」と表現される方もいます。
 若いトイ種およびミニチュア種(4歳前後)に多く見られる傾向があり、ダックスフンド、トイプードルやヨークシャーテリアでも起きることが確認されています。
 胃腸での免疫反応が原因とされていますが、はっきりとした原因がわかっていないのが現状です。自分は、経験上異常な免疫反応とストレスが重なって発症しているような気がします。
 数時間から半日程度でぐったりし、呼吸と心拍は早くなり、血圧低下、低体温になるなどが特徴です。早期治療をしないと脱水により血液濃縮(血がドロドロ)状態になり、また敗血症なども併発し、臓器障害や多臓器不全で亡くなってしまう子もいます。
 身体検査および検査ではパルボウイルス感染症とは異なり、初期では発熱がなく、白血球減少症もなく、血液濃縮が起こります。
 適切な治療が間に合えば、通常は3~4日で回復してきますが、悪化すると危険な病気です。

  この子も、イチゴジャム状の血便を入院中も止めどなく排泄していました。血便はワンちゃんではよくあることですが、続くと原因によっては腸の粘膜が剥がれている所から細菌感染を起こして敗血症を起こすこともあるので、安易に様子をみるのもよくありません。 また今回血液検査では、血液もかなり濃縮されていましたが急速輸液や治療が功を奏したといえるでしょう。良かったね、カナちゃん~

2013年02月25日(月)
イタリアの「ハチ公」が死ぬ(msn産経ニュースを読んで 2013/2/14)

  各国で、動物の温かい話題はあるものです。今回も、イタリア版の「ハチ公」が亡くなったとのことです。名前はトミーちゃん。飼い主様が亡くなったあと、教会の祭壇の前に毎日のように通うようになりました。その気持ちに感動した周りの方から食事や水をもらっていました。先日、そのトミーちゃんも13歳で息を引き取ったそうです。facebookでトミーちゃんのサイトに声が寄せられています。
 どこの国のワンちゃんも、飼い主様を思う気持ちは変わらないんですね。気持ちがほっこりしました。

2013年2月25日(月)
麻酔薬についてのぼやき(朝鮮日報日本語版を読んで 2013/2/14)

 「ケタミン」と聞いて、動物病院関連の方は知らない人はいないくらいの薬があります。麻酔の導入(以前は麻酔維持にも使用されていました)に使用されるこ とが多く、昔からある薬です。ただ、これが不正に密輸入され若者の間での乱用(解離性麻酔薬であるため、ヒトがこの粉末を鼻孔吸入、もしくは経口摂取・静脈注射した場合、一種の臨死体験様作用が得られること)が問題となり、厚生労働省はケタミンを麻薬及び向精神薬取締法に基づく「麻薬」に指定しました(麻薬指定は2005年12月13日、代換品移行措置期間を考慮し施行は2007年1月1日)。 当院では、使用が出来るように麻薬管理免許を取り、現在でも厳重に管理、使用しています。今までは、野生動物捕獲時や動物園の猛獣診療などは吹き矢で使用 していた薬だったのに、麻薬指定されたとなると管理(使用量など)も厳重になるので、この薬を吹き矢で飛ばすことも出来なくなったのでしょうか(笑)。
  前置きが長くなってしまいましたが、今回問題視しているのは、韓国芸能界で話題になっている向精神薬「プロポフォール」の件です。この薬は、睡眠導入剤 (睡眠薬)や麻酔薬としても使われ、人医の麻酔時でもかなり常用されている薬になります。もちろん、動物病院でも使用しています。速効性や鎮静作用もあ り、麻酔の導入や維持にも使用され、使用頻度が高くなってきた良い薬です。代謝も早く投与を中止すると数分で覚醒に向かいます。ただ、心拍・呼吸低下、呼 吸抑制作用があり、安易に使うべき薬ではありません。悲しいことにあの(故)マイケルジャクソンさんもこの薬の副作用により亡くなりました(事件か事故か は闇の中です)。この薬を利用して、韓国の芸能人が短時間で熟睡できるようにとプチ整形やエステという名の下にエステサロンなどを受診しているようです。 結局、韓国も2011年2月から麻薬類に指定したようです。
  こういった波が日本にも来ると、やはりプロポフォールは麻薬指定されるのでしょうか?薬全般は、通常動物病院でも厳重に管理はしています。ただ、麻薬管理 となると使用するにあたりハードルが上がってきます。毎年、使用管理を届けなくてはなりませんので、もちろん仕事が増えます(笑)。せっかく良い薬なので 使用したいのに、使用を避けたくなる気持ちもでてきます。なんとか、麻薬指定になりませんように・・・願うばかりです。

2013年02月03日(日)
ダニが運ぶ新感染症とは(東京新聞を読んで 2013/1/31)

  暖かくなってくると草むらや公園、散歩道でペットに寄生され、皮膚炎や吸血をされてしまうマダニ。これが、さまざまな感染症を運ぶ(媒介する)とは以前か らも言われています。わかっているだけでも、たとえばつつが虫病や日本紅斑熱、ライム病(ヒトの症状:皮膚症状、神経症状、関節炎など)や猫ヘモプラズマ 症(猫の症状:貧血、発熱など)、犬バベシア症(犬の症状:貧血、発熱、黄疸など)です。ただ、やはりこれだけにはとどまりませんでした。先日、厚生労働 省が昨年の感染症事例を発表しました。
 2009年頃から中国で報告されているウイルス感染症(ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新規ウイルス。クリミア・コンゴ出血熱と同じ科)で、「重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome,SFTS)」 というものです。媒介が、マダニの仲間(フタトゲチマダニ、オオシマダニ)になります。もちろん、犬や猫に寄生します。このウイルスの潜伏期間は6日~2 週間で、主な症状は発熱・嘔吐・下痢、血液異常としては白血球・血小板減少が特徴です。そしてなによりも恐いのが、この感染症に対する有効なワクチンや薬がまだないということです。重症化すると死亡する例もあり、中国の致死率は12%とのことです。ただし、環境や初期治療も日本とは異なるため、この致死率を当てはめられないとは思いますが、まだ解明されていない感染症ということでは予防が大切になります。昨年秋には、海外渡航歴がない山口県在住の日本の方(成人)が亡くなったそうです。

<ヒトの予防対策>
①ダニに咬まれないこと(咬まれるような所にできるだけ行かない)。
②草むらや藪など、ダニの生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し肌の露出を少なくすることが大事。
③屋外活動後にはダニに刺されてないか確認してください。
④吸血中のダニに気がついた際には、できるだけ病院で処置してください。
⑤ダニに咬まれた後に、発熱等の症状があった場合は、すぐに病院へ受診してください。
(山口県報道サイト参考)

<ペットの予防対策>
①ダニに咬まれないこと(咬まれるような所にできるだけ行かない)。芝生でさえもいることがありますので、散歩に少しでも行く方は、予防剤を使用することをおすすめします。
②暖かい季節には必ず、ノミ・ダニの予防剤をあらかじめ使用する。
③疲れやすい、元気がないなど症状が見られるようであれば、動物病院に受診して下さい。

ちなみに、マダニとは・・・
固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3~4mm、目視で見えます)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息し、全国的に分布しています。吸血すると1cm程度になります。食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なります(イエダニは目視では見えません)。

  ヒトと動物の両方を感染症から守るためにも、ペットにノミ・ダニ予防処置を行いましょう。最近では、処置をしておけば、ダニが寄りつきづらくなったり(忌避効果)、ダニが動物に飛び乗っても成分が着いている毛にとどまることができない効果がある予防薬などもあります。現在使用している予防薬の効果はどう いったものでしょうか?詳しくは、ご相談下さい。

2013年02月03日(日)
キシリトール中毒に注意

  先日、夜間にぐったりして昏睡状態で運ばれてきたワンちゃんがいました。すぐ低血糖とわかったため、早急な対応が一命を取り留めました。ただし、検査して も原因が分かりません。通常、低血糖症状は必ず原因があります。ひとつ気にかかることがあり、中毒として低血糖がないか調べていったところ、思い出しました。キシリトール中毒です。

<キシリトールについて>
 キシリトールとは、最近になってよくきく成分のひとつですが、砂糖のかわりに甘味料としてお菓子やお料理に使われています。アメリカでもこの数年でその使用が急激に増加しています。
  キシリトールの摂取は、人では比較的安全性が高いと考えられますが、犬では、摂取により時に命に関わるような重篤な症状を引き起こすことがあります。動物 により異なり、ヒト・ラット・馬では低血糖症状を出さないのに、ウサギ・牛などでは反応が激しいようです。猫やフェレットに対する反応はよく解っていません。キシリトールの投与が、犬で低血糖を引き起こすことは約40年前から知られてきました。しかし最近の研究で、キシリトールの摂取が急性の肝壊死を引き起こすことがわかってきました。人ではインスリンの分泌を殆ど刺激しないため、砂糖の代用品として優れていると考えられています。また、口腔内の細菌が酸を作り出して歯の表面にダメージを与えるのを抑制することで、虫歯予防の目的でも使用されるようになり、最近の歯磨き粉や、ガムなどにも多用されるようになりました。ちなみに、犬の口腔内pHは、アルカリ性(8~8.5)なので虫歯菌が繁殖しにくく、犬には虫歯が少ないのはこのためです。
 キシリトールの吸収性は、動物種によって大きく異なります。ヒトではゆっくりと吸収され、口から摂取したキシリトールの50~90%が吸収されます。犬では口から摂取したキシリトールは、急速に、ほぼ完全に吸収されます。ピークは摂取後約30分なのでその頃に中毒が起きやすいのです(だたし、接種後3日後に症状を出した例もあるそうです)。
犬にキシリトールを静脈投与した場合に、同量のブドウ糖を投与した場合よりも多くのインスリン分泌を引き起こし、同時に血糖値の低下をも引き起こすことが解りました。ASPCA動物中毒コントロールセンター(APCC)によると、犬で体重1kgあたり0.1g以上のキシリトールを摂取した場合には低血糖を生じる危険性がある、としています。症状は次第に嗜眠、運動失調、虚脱、痙攣発作へと進行します。犬で肝毒性(結節性再生性過形成)を引き起こすキシリトールの用量は、低く見積もっても0.5g/kgとされています。このキシリトールの個体差(感受性)は幅があり、体重1kgあたり1.0g以上のキシリトールを数年間与え続けても症状がでない犬もいれば、少量でも症状を出した犬もいます。

 以上が、過去のデータになります。一般的なキシリトールガムでは一粒に約0.6g程度入っています(メーカーや種類により幅はあります)。ということは、5kg程度のワンちゃんでは、1個食べただけでも、低血糖を起こす可能性はあると考えた方がよいと思います。   「人間が食べているものは、おいしいもの」と思っているワンちゃんは、いつでもあなたの周りの食品を狙っています。お気をつけ下さい。

2013年01月01日(火)
心臓マッサージのみの方が高救命率(NHKnewsWEBを読んで 2012/12/31)

  先日、こんなニュースを見かけました。救急処置の時に心臓マッサージおよび人工呼吸の併用と心臓マッサージのみと比較した救命率のデータが出たそうです。 結果は、心臓マッサージのみの方が救命率が若干ですが高かったそうです。人工呼吸時にマッサージを止めることが循環の改善を遅めてしまうようで・・・  動物にも当てはまる気がします。ただ、動物の場合は原因が心臓発作でないことも多くあるので、やはり早期発見、すぐ搬送が基本ですね。

2013年01月01日(火)
飯田のハチ公、新しい家へ(中日新聞を読んで 2012/12/28)

 続報です!先日お伝えした「飯田のハチ公」ですが、本当の飼い主様は見つからず、新しい家に引き取られることになったそうです。保健所が里親を募集したところ、初日で60件もの希望者が申し出たそうで、書類審査をして最も適した家に譲渡したそうです。
 さすが、さっそく新しい飼い主様に甘えているそうです。よかったぁ~

2013年01月01日(火)
新年のご挨拶

  明けましておめでとうございます。今年はどんな年になるでしょう?まずは健康第一、インフルエンザやノロウイルスなどには気をつけて下さい。外から帰ったら、手洗いうがいは基本ですね。小さなワンちゃんやネコちゃんがいるご家庭も、これを徹底して下さい外から持ち込む病気も少なくありません。

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